日本の造船所マップ + 建造船舶史
日本の主要造船所 29 ヶ所と代表的建造船舶 67 隻を地図上にプロットしたインタラクティブアーカイブです。 1857 年の三菱長崎造船所(旧長崎熔鉄所)から現代の今治造船・JMU・常石造船まで、 戦艦大和を生んだ呉海軍工廠・Diamond Princess を建造した三菱長崎・空母信濃を残した横須賀海軍工廠など、 150 年以上の日本造船史を地理 × 時系列で俯瞰できます。
Phase 0 PoC:本ページは主要 29 造船所 + 67 著名船を手動キュレーションした実験版です。データは Wikipedia ja の各造船所・各艦船記事を一次典拠とし、有力な複数説のある関係については代表的なものを 1 件採用しています。最終更新日:2026-05-23。
本コンテンツの解説文は CC BY 4.0 公開。 地理座標・建造年などの事実情報には著作権は発生しません。 地図ライブラリ: Leaflet 1.9 (BSD)。 タイル: © OpenStreetMap contributors。 出典: Wikipedia ja 各造船所・艦船記事 (CC BY-SA 4.0)。
このマップで分かること
現代の日本造船業は世界生産量で韓国・中国に次ぐ第 3 位。その源流は 1855 年の長崎海軍伝習所と 1857 年の長崎熔鉄所(後の三菱長崎造船所)に遡ります。 本マップは、戦艦大和を生んだ呉海軍工廠から、Diamond Princess を建造した三菱長崎、最新の海上自衛隊いずも型ヘリ空母を建造する JMU 横浜まで、 29 造船所 × 67 著名船を地理と時系列の両軸で俯瞰します。
「戦艦大和はどこで建造されたのか」「Diamond Princess を造った造船所は今もあるのか」「最新の海上自衛隊護衛艦はどこで建造されたのか」といった問いに、 マップクリックで答えられるよう設計しました。
地図の読み方
マーカー色は親会社・運営主体を示します。三菱重工・川崎重工・IHI・JMU・今治造船・常石造船・名村造船・三井 E&S・大島造船所・新来島どっく・尾道造船・福岡造船などの民間造船所と、 旧大日本帝国海軍工廠(呉・横須賀・佐世保・舞鶴)を別色で区別しています。廃業・合併造船所は淡い色で表示。
マーカーをクリックすると右側に詳細パネルが開き、造船所の創立年・親会社・所在地・解説と、代表的建造船舶リスト(船名・種別・進水年・解説・Wikipedia リンク)が表示されます。
フィルタチップ: 親会社で絞り込み・状態(active / closed / merged)で絞り込みが可能です。
URL ハッシュ (例: #mitsubishi-nagasaki) で特定造船所に直接ジャンプできます。
主な見どころ
- 三菱長崎の連続性 150 年超: 1857 年幕府の長崎熔鉄所として始まり、戦艦武蔵・Diamond Princess・Sapphire Princess・飛鳥 II (Crystal Harmony) など歴史的名船を建造。 2020 年に香焼工場を大島造船所へ売却したことで一部撤退したが、本工場では依然として LNG 船・護衛艦を建造中。
- 呉と横須賀の対比: 戦艦大和を建造した呉海軍工廠は戦後 IHI 呉 → JMU 呉として連続するが、空母信濃を生んだ横須賀海軍工廠は米軍接収で在日米海軍基地となった。
- JMU の系譜複合体: 2013 年に IHI (旧 IHI MU) + JFE (旧 NKK) + 旧日立造船舞鶴が統合して発足。横浜磯子 (旧 IHI 横浜) で海上自衛隊いずも型・まや型を建造する戦後最大の艦艇拠点。
- 瀬戸内クラスタの成長: 今治造船・常石造船・新来島どっく・尾道造船・内海造船が今治 - 福山 - 尾道 - 坂出を中心に密集し、世界のコンテナ船・バルカー建造の主要拠点に。 今治造船の MOL Truth・ONE Infinity は当時世界最大級。
- 海軍工廠の戦後処理: 呉・横須賀・佐世保・舞鶴の 4 工廠のうち、舞鶴は日立造船 → JMU 舞鶴として連続性があり、唯一の旧海軍工廠系造船所として現存。佐世保は SSK (名村造船子会社) として継続。
- 消えた老舗: 1689 年創業の藤永田造船所 (世界最速駆逐艦 島風を建造) は 1967 年三井造船に合併し閉鎖。1853 年創業の石川島造船所は 1960 年に播磨造船所と合併し IHI へ。
船種カテゴリ
戦艦: 大和型 2・長門型 2・金剛型 4 (うち 4 隻収録)・伊勢型 2・扶桑型 2 = 計 11 件
空母: 赤城・加賀・蒼龍・飛龍・翔鶴・瑞鶴・信濃・大鳳・隼鷹・飛鷹・雲龍・天城・葛城・龍驤 + 海自いずも型 4 = 計 18 件
巡洋艦: 妙高型・高雄型・利根型・阿賀野型 = 計 7 件
駆逐艦: 島風・雪風 + 海自護衛艦 = 計 9 件
潜水艦: 伊 400・伊 401 + 海自そうりゅう型・たいげい型 = 計 4 件
商船: 客船 (浅間丸・飛鳥 II・Diamond Princess・guntû 等)・コンテナ船 (MOL Truth・ONE Infinity)・LNG 船・フェリー・特殊船 = 計 16 件
海上保安庁巡視船・砕氷艦 = 計 3 件
データの根拠と更新方針
造船所・建造船舶の情報は Wikipedia ja の各記事 (CC BY-SA 4.0) を一次典拠とし、各造船所公式サイトを補完的に使用しました。 所在地の緯度経度は各造船所の主要施設の位置を、進水年・竣工年は Wikipedia 各艦船記事の表記を採用しています。
代表的建造船舶のリストは「Wikipedia ja の個別記事に船名・進水年・建造造船所の 3 点が明示されているもの」に限定しています。商船は Wikipedia 個別記事を持つ著名船のみ。 数千隻に及ぶ商業バルカー・タンカー等の量産船は本マップでは扱っていません。
ライセンスと引用
事実情報(造船所所在地・建造年)には著作権は発生しません。図と本解説文は CC BY 4.0 で公開していますので、
出典明記(余標舎「日本の造船所マップ + 建造船舶史」 へのリンク)でご自由にご利用いただけます。
関連コンテンツ
- サプライチェーンマップ — 造船は鉄鋼産業の主要需要先。鉄鋼レイヤから造船・自動車・建設へ流れる産業の構造を上流から辿れます。
- 大手企業 統合と分離の歴史 — 三菱重工・川崎重工・IHI・JMU の合併分離史と双方向に参照可能。本マップの親会社カラム → ma-genealogy で系譜全体へ。
- 日本のチェーン店 創立年タイムライン — 1857 年三菱長崎は同年代の老舗の創業年とほぼ並ぶ。日本産業 150 年の時間軸が補完関係。
- 日本の発電所マップ — 同じ Leaflet マップパターン。エネルギーインフラと造船業を地理的に対比できます。